「不肖・宮嶋」のニックネームで知られ、数々の紛争地や事件の現場に身を投じてこられた日本を代表するフォトジャーナリスト。彼のレンズは、常に時代の深部、人間の生と死が交錯する最前線を捉えてきた。
コソボ、イラク、ウクライナ、そして東日本大震災…。彼が立ち続けてきた「現場」を概観する。広角レンズを手に被写体へ肉薄するそのスタイルは、安全な場所からではない、被写体とリスクを共有する場所に身を置くという彼の哲学そのものであることを示す。宮嶋さんの仕事は、安全な日常を生きる我々の想像力を覚醒させ、世界と繋がるための「窓」となる。
ニッポンジャーナルでは、無料枠でも宮嶋さんは写真を出してくれるが、有料枠ではさらにふんだんに写真を見せてくれる。写真を撮ったときの宮嶋さんからの状況説明も相まって、そのときの空気が感じられ、人間の弱さや強さや残酷さや美しさなど様々な感情が掻き立てられる。宮嶋さんの出演回は、特に有料会員で良かったと思う。
写真集・著書
『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』 (2022年)
2022年、ロシアによる侵攻が続くウクライナを取材した記録。凄惨な現実を前に、40年近くカメラを構えてきたベテランが何を感じ、何を撮ったのか。ブチャの惨状、キーウの日常、そして戦場の猫。現代の戦争のリアルが、抑制の効いた筆致と写真で克明に記録された一冊。
『君たちはこの国をどう守るか』 (2023年)
元海上自衛隊特殊部隊員の伊藤祐靖氏との対談本。伊藤氏が語る「プロの視点」と、宮嶋氏が世界各地の現場で見てきた「現実の視点」。二つの異なる視点が交差することで、「国防」というテーマが立体的に浮かび上がる。これまで国防を自分事として考えてこなかった人々のための、最高の入門書。
『海上自衛隊創設70周年写真集 GLORIOUS FLEET 日出づる艦隊』 (2023年)
宮嶋氏が30年以上追い続けてきた海上自衛隊の集大成ともいえる写真集。「いずも」をはじめとする最新鋭の艦船の機能美はもちろん、過酷な任務に就く隊員たちの素顔や日常にも光を当てる。単なる兵器カタログではない、日本の海を守る人々の「魂」の記録がここにある。
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